お口の健康情報

No.30『親知らずとは?』
 親知らずと呼ばれている歯があります。大臼歯の3番目の歯で、前歯から数えると8番目にあり、生える時期は高校生以降です。従って、親にとっては子供のこの歯が生えたかどうか関知し得ないために親知らずと呼ばれています。さらに、親知らずが生えてくるかどうかは個人差が大きいのです。

 大昔の人々は堅い食べ物をしっかりと咀嚼して食べていたために顎の骨が発達しており、親知らずまできちんと萌出して咬むのに役立っていましたが、食事が調理され軟らかくなってくると顎が小さくなり、親知らずまで生えるスペースがなくなって、今では多くの人はまともな生え方をすることができないでいます。歯肉に部分的に埋まっていたり、骨の中に完全に埋まっている状態となっています。
咬みあわせることがなく機能をしなくなった親知らずは、遠い将来は次第に退化していくと予想されます。現在でも、親知らずが小さい歯になったり、生まれつき歯そのものがない人も少数ですがいます。

 それでは、親知らずは痛みが出やすいために抜いた方がいいと言われていますが、実際はどうしたらいいのでしょうか。親知らずの抜歯を行うかどうかは、
(1)立っているかどうか、(2)何か悪さをしているかどうか、(3)抜きやすいかどうか、ということを基準に判断します。虫歯になったり、歯肉が腫れたり痛んだりするのは、歯の汚れに住みついた細菌が原因で生じます。

 従って、歯と周囲の歯肉とのすき間の汚れをきれいに清掃することができないような生え方をしている親知らずは、細菌のコントロールができないために抜歯をした方が良い場合が多いです。また、矯正治療上、歯並びに悪い影響を及ぼす可能性のある親知らずも抜いた方が良いと思われます。

 親知らずの生え方や状態は個人によって異なりますから、歯科医院でレントゲン等で調べて相談されたら良いと思います。

岡山市歯科医師会

一覧に戻る